盆踊りの種類について。【踊り方別】日本で有名な盆踊り8選

阿波踊り

夏も盛りに入り、お盆の頃が近づいてきました。浴衣やハッピで盆踊り、というのは、昔ながらの日本の夏の光景です。

そんな盆踊りですが、種類ってどれくらいあるの?と疑問を持たれるかたもおられるのではないでしょうか?

そこで今回は、日本各地にある盆踊りの種類で、国の重要無形民俗文化財指定の盆踊り8選につてい、その特徴を解説します。是非参考にしてみてくださいね。

日本三大盆踊り

西馬音内盆踊り(秋田県)

西馬音内盆踊り

見慣れない地名ですが、「にしもない」と読みます。秋田県の羽後町に古くから続く盆踊りで、毎年8月16日から18日まで開催されます。

「野性的な囃子と、優美で流れるような美しい踊り」が、西馬音内盆踊りの特徴として謳われています。踊り手は主に女性で、母から子、子から孫へと、代々受け継がれてきました。

美しい衣装をまとって優雅に舞う様子は、女性らしい艶やかさを醸し出します。

同時に、顔まで覆う大きな編み傘や、目の穴だけ空いた真っ黒な頭巾を被って踊る様子は怪しくもあり、死を連想させ、別名「亡者踊り」とも言われています。

郡上踊り(岐阜県)

郡上踊り

「ぐじょうおどり」と読みます。岐阜県郡上市で、8月13日から16日まで開催されます。

近年では、コスプレをして踊る変装コンクールなど、ユニークな催しが行われているほか、名古屋、京都、東京でも大会が開かれています。

郡上踊りの歴史は古く、中世の「念仏踊り」や「風流踊り」から発展しました。盆踊りとして親しまれるようになったのは、江戸時代に郡山藩主が奨励したからだと言われていますが、発祥の詳細は定かでありません。

当時、「盆踊りの期間中は、身分の分け隔てなく無礼講で踊ってよし」とのお達しが出たことを受けて、現在でも地元民だけでなく観光客も踊りに参加できます。

伝統的な行事でありながら、広く開かれているというのは、最大の特徴であり魅力でもあると言えるでしょう。

阿波踊り(徳島県)

阿波踊り

「えらいやっちゃ、えらいやっちゃ、ヨイヨイヨイヨイ、踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らな損損」という掛け声は、誰しも一度は聞いたことがあるでしょう。

最近は日本中で阿波踊り大会が開催されているため、知名度はかなり高まっています。

しかし、これが徳島県発祥の盆踊りであること、400年もの歴史を持つ日本の伝統芸能の一つであることまでは、知らない人が多いかもしれません。

阿波踊り大会は、夏の時期になると徳島県内の各市町村で開催されますが、中でも8月12日から15日にかけて徳島市で行われるものは、国内最大規模を誇ります。

新野の盆踊り(長野県)

盆踊りといえば、普通は三味線や笛、太鼓といった鳴り物を使い、賑やかな音楽に合わせて踊るのが一般的です。しかし新野の盆踊りでは、楽器は使わず声のみで踊ります。

それも、やぐらの上にいる「音頭とり」が音頭を発し、下で踊る踊り子たちがそれに呼応する、というシンプルなものです。

多くの盆踊りは、先祖の供養という民俗的な意味合いを持っています。それに対して新野の盆踊りは、神々に捧げるための踊りであり、信仰的な意味合いが深いのが特徴です。

踊りは7種類あり、8月14日から17日明け方にかけて、儀式として行われます。

有東木の盆踊(静岡県)

8月14日、15日に、静岡市の東雲寺の境内で行われます。

「男踊り」と「女踊り」、男女それぞれの踊りがあるのが特徴です。

帰ってきた先祖の霊とともに二日間踊り明かし、15日の終わりになると、灯籠を掲げて踊りながら集落の辻に向かい、先祖を送り出します。盆踊りの本来の意図を色濃く残した、貴重な民俗芸能の一つです。

徳山の盆踊(静岡県)

8月15日に、静岡県にある浅間神社の例大祭で披露される盆踊りです。

踊りは三部構成で、少女たちが扇を持って舞う小唄踊り「ヒーヤイ」と、少年らが鹿に扮して境内を跳躍する「鹿ん舞」の間に、大人たちが行う「狂言」が挟まれます。まるで歌舞伎のような構成です。

このように、小唄踊りと動物の仮想踊りの間に狂言を挟むという構成は、近世以降の歴史を色濃く反映したものです。芸能史的にも価値が高く、貴重な伝統芸能として継承されています。

十津川の大踊(奈良県)

「大踊」となっていますが、奈良県の十津川村では、盆踊りのことをこのように呼びます。

大字小原、大字武蔵、西川地区の三地区で伝承されている古典的な踊りの総称を「十津川の大踊」とし、毎年8月13日から15日まで、地区ごとに日をずらして踊ります。

太鼓や扇は大きな房で飾られ、切子灯籠(透かし模様や花飾りをつけた吊り灯籠)が無数に吊るされて、とても華やかな様子が見られる一方、振り付けや歌詞は優雅で古風なのが特徴です。

白石踊り(岡山県)

瀬戸内海にある笠岡諸島、その中の白石島で伝承される、独特な盆踊りです。起源は源平の合戦まで遡り、その戦死者の慰霊のために始まったと伝えられています。

踊りは13種類あり、それぞれ衣装も違いますが、これらを一つずつ順番に踊るのではなく、同じ音頭で一斉に踊るという特徴を持ちます。

別名は「回向踊り」。13種類の踊りとは別の特別な踊りで、島内の初盆を迎えた家を訪問して納められます。これらのことからもわかるように、「鎮魂」というのが、白石踊りの本質とされています。

現在では、積極的に白石踊りの伝承や普及が行われています。

毎年8月13日から16日にかけて白石島公民館で披露されるほか、7月中旬から8月上旬にかけては、毎週土曜日に白石島海水浴場の砂浜でも披露されるなど、観光資源の一つにもなっています。

まとめ

いかがでしたか?

一口に「盆踊り」といっても、日本全国には様々な形の盆踊りが伝承されているようです。

ちなみに、今回紹介したものはすべて、国の重要無形民俗文化財に指定されています。後世に語り継ぎたい大切な文化の一つとして、少しでも多くの方に興味関心を持っていただけたら幸いです。

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