宮城県石巻市では毎年5月、サン・ファン・バウティスタ号の復元船が進水した日を記念して「サン・ファン祭り」が行われ、石巻春の最大イベントとして大変人気があります。
そんなお祭り聞いたことないし、大したことないのでは?と思った方、実はそのお祭りでは他では味わえない体験やたくさんの催しがあります。
そこで今回は「サン・ファン祭り」を最大限楽しめるためのポイントを紹介していきます。船好きの方もそうでない方もぜひご一読ください。
目次
サン・ファン祭り2019の日程とイベントスケジュールは?
サン・ファン祭りについては、その様子を解説している、分かりやすい動画がありますので、まずはこちらをご覧ください。
サン・ファン祭り2019の日程は?
例年通りであれば下記の通りです。
日程: 2019年5月26日(日)
時間:午前9時30分~午後4時
場所:宮城県石巻市渡波字大森30番地2 サン・ファン館、サン・ファンパーク
サン・ファンパークイベント
- オープニングセレモニー
- ステージイベント
- ちびっこ広場
- ストリートパフォーマンス
- 各種出店
- (海上イベント)
- 無料ヨット体験クルーズ
館内イベント
- 迎え花の展示
- 館内ステージ
サン・ファン祭りへのアクセス方法や混雑について
当日は混雑が予想されるので、臨時駐車場や公共交通機関を利用されるのがお勧めです。
電車の場合
JR石巻駅より石巻線でJR渡波駅下車後、徒歩で約25分
バスの場合
JR石巻駅より路線バス鮎川線「サン・ファンパーク」下車(土日のみ)
車の場合
石巻河南ICより牧山トンネル経由で約30分
駐車場について
イオンスーパーセンター石巻東店(500台分)が祭りの日の臨時駐車場となります。
※駐車場から会場まで無料シャトルバスが運行します。
始発:イオン発 朝9時頃 最終:パーク発 16:15頃
サン・ファン祭りの見どころ1 サン・ファン・バウティスタ号
サン・ファン・バウティスタ号でーす。家康さんの承認を得て、仙台藩士である支倉常長ら一行を慶長遣欧使節に任命し、スペインとの貿易交渉のため太平洋を横断する計画を立てた時に建造されたガレオン船ッス pic.twitter.com/dpSJo1GrQh
— 伊達 政宗 (@156795_1636627) 2018年9月25日
サン・ファン祭りは何と言ってもサン・ファン・バウティスタ号が主役です!今は船の老朽化のため乗船できませんが、当時の形を出来るだけ忠実に再現したその姿は、船好きでなくとも心躍るものがあります。
サン・ファン祭りの見どころ2 様々な催し物
会場のステージでは地元の方々が祭りを盛り上げるために準備した様々な催し物があります。過去にあった催し物を記載します。
- 仙台藩志会による剣祓(はら)い
- 同市渡波小の鼓笛隊や万石浦小のマーチングバンド
- 石巻好文館高のチアリーディング
- 五葉山火縄銃鉄砲隊伝承会(岩手県)による火縄銃の演舞
- フラ・ハラウ・カフラ・オ・ハワイ石巻校のフラダンス など
他には石巻漁港内を航行するヨットクルーズ体験が人気を博しています。
サン・ファン祭りの見どころ3 屋台
土曜のサン・ファン祭り前夜祭を思い出してみよう
焼きそばは石巻焼きそばで他にも屋台でゲソ焼きやタコのマリネが食べられちゃったりするのは大崎のお祭りにはないので
思ったよりローカルなお祭りだったのだけど地域色を感じられて行って良かった pic.twitter.com/L8OYpPoo8r— えーこたん (@motumotuhouse) 2016年5月23日
屋台も他とは違った趣があり、ご当地B級グルメ石巻焼きそばや支倉常長が訪れたイタリア、メキシコ、スペインの料理などがあります。
またワインやカクテルバーなどの飲食物ブースも多数出店しています。海に浮かぶ船を見ながら異国の料理を堪能しましょう。
サン・ファン祭りの見どころ4 サン・ファン館
宮城県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)は、慶長使節の歴史や大航海時代の帆船文化を紹介する博物館です。
牡鹿半島と太平洋を一望できる景勝地の高台にあり、イタリア風庭園のサン・ファンバウティスタパークに囲まれています。
高台の展望棟には当時の時代背景、登場人物の心境をパネルやジオラマで解説する慶長使節展示室・企画展示室があります。
また太平洋を渡った使節の航海の様子を紹介するサン・ファンシアターや、木の文化を知る体験学習などができるワークショップなどもお勧めです。
サン・ファン祭りの日は例年サン・ファン館の入場料が無料となっていますので、ぜひこの機会に館内も見学しましょう。
サン・ファン・バウティスタ号の歴史について
江戸時代から船復元までの歩み
サン・ファン・バウティスタ号とは今から約400年前に仙台藩主伊達政宗が派遣した慶長遣欧使節がヨーロッパへと向かうために使用した船の事です。
慶長遣欧使節は仙台領内でのキリスト教布教容認を交換条件とし、ノビスパニア(メキシコ)との直接貿易を求めて、イスパニア(スペイン)国王およびローマ教皇のもとに派遣された外交使節です。
使節に選ばれた支倉常長は、宣教師のルイス・ソテロとともに仙台藩内で建造された洋式帆船「サン・ファン・バウティスタ号」で海を渡りました。
常長はイスパニアに到着し国王フェリペ3世に謁見し、さらにローマに行き教皇パウロ5世に拝謁しました。
しかし、幕府のキリスト教弾圧などから目的を達成することができず、7年後の1620年には仙台へと戻ってきたのでした。
今あるサン・ファン・バウティスタ号は1990年に宮城県で復元されたものです。
限られた現存資料や16、17世紀のヨーロッパの船型等を解析したうえで設計図を作成し、当時の船に可能な限り近い形での復元が成されました。
その建造費15億円のうち5億円は、宮城県民からの募金により集められたものだそうです。まさに宮城県の方々みんなで作り上げた船なんですね!
そして慶長遣欧使節団の出帆380年目にあたる1993 年5月22日に復元船サン・ファン・バウティスタは進水しました。
その日を船の誕生日として祝い、地域活性化の一助とするために市民団体によって運営されるのが「サン・ファン祭り」です。
震災からの復活
2011年3月11日に発生した東日本大震災により、石巻市の沿岸部にあるサン・ファン・バウティスタ復元船とその周りを取り囲むドック棟は大きな被害を受けました。
船はドックに留まり流失こそしませんでしたが、震災の翌月に起きた強風によりマスト部分が折れてしまい、大きな損傷に見舞われてしまいました。
しかし震災後、災地支援のため仙台を訪れていたカナダのブリティッシュコロンビア州の方々がマスト材修復のための木材の提供を申し出てくれたのです!
2013年10月にはその木材を使ってマストの修復を終えました。大震災から2年8ヶ月を経て、サン・ファン・バウティスタの勇ましい姿が石巻の海に見事復活したのでした。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は「サン・ファン祭り」についてご紹介しました。
「サン・ファン祭り」では慶長使節時代の雰囲気を感じることのできる洋船や地元の伝統芸能を見ることができ、また雄大な海を眺めながら石巻の新鮮な魚介類を使った異国の料理も味わえます!
興味を持った方はぜひ行ってみてくださいね。